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イチジクの花と受粉の仕組み|普通種・スミルナ種・カプリフィグの違い

Oppdatert: 2026-08-09

イチジクは「花が咲かない果物」と言われることがありますが、これは正確ではありません。実際には、果物として食べている部分そのものが花の集合体で、外からは見えない内側に無数の小さな花が咲いています。この記事では、イチジクに特有の花のしくみと、品種によって異なる受粉のタイプ(普通種・スミルナ種・カプリフィグ・サンペドロ種)についてわかりやすく解説します。

枝に実る緑の果実
© Bogdan Giuşcă, CC BY-SA 2.5

果嚢(かのう)の中に咲く花

イチジクの果実に見える部分は、植物学上「花嚢(かのう)」と呼ばれる、花軸が袋状に膨らんだ器官です。この内側の壁面に、雄花と雌花が数百から数千個も並んで咲いています。先端にある小さな穴(眼:め)は外部とつながる唯一の入り口で、受粉を媒介する昆虫はここから出入りします。花を袋の内側に包んで守るこの構造こそ、イチジクが世界最古級の栽培果樹のひとつとして生き残ってきた理由のひとつだと考えられています。

受粉を担うイチジクコバチ

野生に近いタイプのイチジクの多くは、体長2〜3mmほどのイチジクコバチによって受粉します。メスのコバチは花嚢の眼から潜り込んで産卵し、その際に体についた花粉を雌花にこすりつけます。コバチとイチジクは互いに依存し合う共生関係にあり、どちらか一方が欠けても種として存続できません。ただし、この共生関係が成立して実際に受粉が行われるのは、特定の気候と品種の組み合わせに限られます。

品種で異なる受粉タイプ

イチジクは花のつき方と受粉の必要性によって、大きく4タイプに分けられます。

  • 普通種(Common type): 雌花だけをつけ、受粉しなくても実が育つ単為結果性。桝井ドーフィンなど、日本で流通する家庭向け品種のほとんどがこのタイプ。
  • スミルナ種(Smyrna type): 雌花のみをつけるが単為結果性がなく、コバチによる受粉がないと実が育たない。乾燥イチジクの高級品種として知られるCalimyrnaが代表格。
  • カプリフィグ(Caprifig): そのままでは食用にならない野生タイプで、雄花と虫えい花をつけてイチジクコバチを育てる役割を担う。Kara IlekやRoeding No. 3は、スミルナ種を受粉させるための花粉源として栽培される。
  • サンペドロ種(San Pedro type): 年に2回結実し、夏果は受粉なしで育つが秋果は受粉が必要という珍しい性質を持つ。

家庭栽培で受粉を心配しなくていい理由

日本の気候にはイチジクコバチが定着していないため、国内で流通する品種はほぼすべて単為結果性の普通種です。つまり、庭や鉢で1本だけ育てても実がなり、受粉樹を用意する必要はありません。品種選びで気にすべきは受粉の有無より、耐寒性や収穫時期、味の好みです。育てやすい品種の選び方は品種図鑑にまとめているので、次の一本を選ぶ際の参考にしてください。

まとめ

イチジクの花は果実の内側に隠れて咲くという独特な生態を持ち、品種によって受粉の必要性がまったく異なります。日本の家庭栽培では単為結果性の普通種が主流のため、受粉の心配はほぼ不要です。育てている木の実つきに疑問があれば、写真つきで掲示板に投稿して相談してみるのもおすすめです。

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